今からちょうど10年前の10月。私は一人、大きなバッグパックを一つ持って、夢中でヨーロッパの古城を写真におさめていました。
2012年10月ヨーロッパを22日間一人旅してきましたので、その旅行記をアップしていきたいなと思います。
なんとなく昔のアルバムを見返していたらキレイな写真も沢山撮っていたし、旅行記としてブログで発信してみようという気になりまして。
10年以上前のことで忘れているかもと思ったのですが、毎日日記を付けることを習慣にしているので、旅行準備期間から旅行中にかけて、どんなことを考えて行動していたかなどしっかりと残っていました。(ちなみに今年で毎日日記を付けて10年目となります)
この記事はこんな人にきっと役に立つはずです。
- ヨーロッパに旅行したい人
- コストを抑えて海外一人旅をしてみたい人
- コロナ禍で海外旅行に行きにくい今、写真を見て旅行に何となく行った気になりたい人
- カメラを学びたい人
- 旅を通して哲学したい人
早くコロナが落ち着いてみんなが安心して海外旅行できる日がくることを願っています。
2012年という時代 ~東日本大震災の翌年~
2011年3月11日。東日本大震災で日本は大きな被害を受けました。
当時私は20代。その時は中国地方に住んでいましたが、311の取材の為、震災発生から2週間後には福島と仙台にいました。信じられない悲惨な光景が目の前に広がっており、そこで多くの方がお亡くなりになりました。
取材を通して私自身、いろいろなことを考えさせられました。絆とは。生きるとは。
2012年(平成24年)は、その被害から立ち直るべく復興・復旧が急速に進む年でした。
自分探しの旅 ~私、英語しゃべれませんが~
”自分探しの旅”というワードは一時期流行りましたよね・・・。そんな大それた話ではないですが、なぜ旅に出たのか。そして”旅の目的”を何に定めたのか振り返ります。
旅の動機
旅の動機ですが、資格試験から話がはじまります。
テレビ局では重宝される電波の資格で「第一級陸上無線技術士」という難関資格がありました。東日本大震災の後あたりから、本格的に時間を作ってプライベートは勉強に充ててました。
その難関資格の簡単なバージョンでTV中継車から電波を出すことができる「第一級陸上特殊無線技士」という資格は、サクッと取れたので、その上位資格である「第一級陸上無線技術士」も少し頑張ればできるでしょーなんて思っていたら、かなり手こずって、結局トータル1000時間以上も勉強で時間を使ってしまいました…。(本当はもっと少ない時間で取れると思います。自分不器用なんで…)
1000時間以上勉強したから、そのご褒美に海外に行こう!しかも今までに経験したことがないタイプの旅行で。と思って海外バックパッカーで当時フリーターの友人を誘って計画を立てていたのですが、結局、その友人は調整がつかなくなって、じゃー一人でいくかということで旅の本格的な計画を作り始めました。
ちなみにその友人は青年海外協力隊でセネガルに数年いたので、英語とフランス語が少しは喋れるとのこと。
一方の私は・・・日本語オンリー!!本当に行けるのか…。
ほんとはインド旅行を計画していた
友人と最初はオーストラリアとかいいねという話をしていたのですが、友人がいかないということになり、じゃー別の場所にするかとインドを計画していました。
なぜインドかというと物価が安そうだったのと(当時私は契約社員で、給料も高くなく、ボーナスもなく、貯金も100万もなかったので…)、大学の卒業旅行で、友人とタイに行ったのが凄く楽しかったので、似た雰囲気ならいいなという思いで選びました。
ところが、他のブロガーさんのインド旅行記などを読んでいると、ダマされた!とか、お腹の具合が悪くなった!とかの記事が目にとまるようになり、結構ビビっちゃって、じゃー、もうちょっとキレイな国にしようかな…ということで、反動でヨーロッパに旅行先を変更しました。(ただヨーロッパでも結局派手にダマされます笑)
ヨーロッパに行くと決まった時点で貧乏旅行が確定したわけです。
旅の目的
せっかくヨーロッパに長期間行くのであれば、行ったよー!楽しかったよー!で終わらせたくなくて何か目的を持ちたいなと考えていました。そこで大きく3つの目的を立てました。
- 孤独に強くなる
- 自分で決めて自分で行動できるようになる
- カメラの腕を上げる
そんな仰々しい目的ではなくて、この目的自体が定性的なものでもありますので達成できたかどうかは分からないです。
順に説明します。
孤独に強くなる
まず1の「孤独に強くなる」ですが、これは私の寂しがり屋の性格が関係しています。
当時の日記を見ても明白で、お酒が好きということもありますが、職場の同期から飲みの誘いがあるとすぐに行き、長い時間、答えのないお互いのカメラ論を語って、翌日二日酔い気味の身体を後悔することがよくありました。常に誰かといないと寂しさを感じてしまうようで…。困ったものです。
誰も頼る人がいない異国の街で暮らすって自分にどういう変化をもたらすだろう?孤独に強くなれるかな?なんて中二病的に考えていました。
自分で決めて自分で行動できるようになる
1泊目と行きと帰りの飛行機だけは日本から予約しましたが、その後の宿を含めた予約は取りませんでした。
どの国に行くとかおおよそのルートは決めていました。だけど、英語も喋れないし、予定通りいかないことが多いだろうなと思って、状況に応じた行動がとれるようなるべく決め打ちでいかないように考えていました。
臨機応変を大切にしよう…というか臨機応変にせざるを得ない。それが自分の決断力を磨くことになると信じて。
カメラの腕をあげる
ご年配のベテランカメラマンの方に「どうやったらカメラうまくなりますかね?」と聞いたことがありました。
その方はこう仰いました。
「キレイなものをたくさん見る。美術館に行って絵画を見るとか、キレイな景色見るとか、映画とか」
光の使い方、構図、切り取るタイミングなど学べるものは沢山あると思います。
ルーブル美術館をはじめ、ヨーロッパは沢山の美術館があります。また海外ならではの素晴らしい景色がたくさんあります。
キレイなモノを沢山見て、沢山写真を撮って感性を磨こうと思いました。
実は、その他にも色々と目的など立てていたと思います。見聞を広げるとか、異国の言葉に興味を持つようになるとか、歩くから身体が絞れるとか…。
まずは行ってみて、それから目的を作るのもいいかなと当時思っていました。
準備
準備期間と資金
インドに行こうかと調べていた時期も含めると約2ヶ月間の準備期間でした。
休みを取る期間は10月3日~10月25日の約22日間。
有給がガッツリたまっていたので…。とはいえ、上司に話したときに露骨にイヤな顔をされました。
「そりゃそうか…。3週間以上会社休むわけだから。」なんて当時は思っていました。
旅の資金ですが、ざっくり50万円以内に収めようと思っていました。理由は簡単!安月給だったので50万くらいが限界でした。(豪華な旅行とは楽しみ方の質が違うと割り切るわけです)
2012年はユーロ対円相場は1ユーロ102円程。ユーロ安ですね。
ちなみに少し話が逸れますが、インド旅行の計画を立てた際は、同じ期間で計算すると35万円くらいの予算でいけそうでした。
飛行機は北京経由の格安航空で往復10数万だったと思います。(記録が残ってなくスミマセン)
10月はオフシーズンで価格も安く、ヨーロッパの観光地は混んでいないとのことです。
旅のルート
見たい景色や行きたい場所
当初はこのようなルートで計画していました。結局、アムステルダムとかプラハとかは行かなかったです。
- 京都
- パリ(フランス)
- レンヌ(フランス)
- ブリュッセル(ベルギー)
- アムステルダム(オランダ)
- フランクフルト(ドイツ)
- プラハ(チェコ)
- ヴェネツィア(イタリア)
- フィレンツェ(イタリア)
- ローマ(イタリア)
エネルゲイア的に旅をする
難関資格の勉強をしていた時に、「この資格に落ちたら今まで費やした努力や時間は意味をもたないのか?」とか「試験に落ちたらまたこの勉強をしなければならないのか…」と先の分からないことにばかりに悩んでいました。(試験あるあるかもしれませんが)
真剣にやるけど深刻になる必要はないのに…。どうしてもその時を楽しめない試験勉強…。
今回の旅の目的地は、ただの目的地に過ぎず、目的地にたどり着けなかったとしても″旅をしなかった”ということにはならないわけで。苦労、喜び、悲しみ、出会いや別れなど、そのプロセス全てが旅となります。
目的地に急ぎすぎず、こだわりすぎず、その瞬間瞬間を楽しみながら旅することが大切だと思います。
所持品
TV黄金時代、1990年代は「進む電波少年」というTV番組の影響もあって、ヒッチハイクやバックパッカーが流行っていた時代がありました。(今や技術進化が進み、働き方もコロナで一新し、今ではノマドワーカーという言葉も出てきてて、時代も変わりましたね)
2012年にバックパッカーの旅は今更感がありました。ただ動きやすいしバックパックでいいかという単純な理由から大きなリュックを友人から借りて荷造りをしました。
- 1週間分の着替え(フランスとイタリアでは気温の差があると聞いていたので夏と冬両方)
- 本「地球の歩き方」や必要書類
- カメラやレンズ
メインの持ち物はこれくらい。登山用の雨カッパとかも持っていたのですが正直必要なかったです。
Wi-Fiはホテルに比較的通っていたのですが繋がらないなども結構あったので「地球の歩き方」は凄く助かりました。
ちなみに旅の途中で会ったバックパッカーの女性は、「地球の歩き方」の訪れる国全てをPDF化したと言ってました。
カメラは「ミラーレス一眼 OLYMPUS OM-D E-M5ミラーレス一眼」を持っていきました。(当時ミラーレス一眼レフが流行っていたと思います)
今は手放しちゃいました。
荷造りしたリュックを持ってみると…。
うっ、ズッシリと重い…。正直コレ大丈夫か?イケるか?
不安しかなかったです。
まとめ
ここまでお読みいただいてありがとうございます。
旅に出たいと思う動機は人それぞれだと思います。あの景色見てみたいとか、仕事のストレスから解放されたいとか。
どんな理由であれ、どんなスタイルであれ、是非旅に出てステキな景色を見て心の洗濯をしてもらえればと思います。今は昔に比べてインターネットインフラも整い、情報も沢山ありますしね。
次回は実際の旅の話をアップしようと思います。
ではまた。
コメント